Lesson6-2 身体を鍛えてコミュニケーション上手になる

トレーニングを軽視しない

コミュニケーションを学ぶ上で大事なのは、身体を鍛えるのを軽視しないことです。人間のコミュニケーションは各自の身体に依存しています。生ぬるい鍛え方では大きな声も出せませんし、そもそも人と会話したり付き合ったりしようとする元気が出て来ません。

また、これは副次的な効果ですが、身体を鍛えると自信がつきます強靭な肉体を持っていると健康でいられますし、他人と比べて肩こりや腰痛、体力不足に悩まされる心配も薄れますし、いざという時は身体の鍛え方さえコミュニケーションのネタにすることが出来ます。

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以前のLessonでもお伝えしましたが、実際に人とやり取りするときはワーキングメモリを使って一時的な情報を保存します。人とのやり取りをより上手に行うためには、このワーキングメモリを増やす、置くべき情報を減らすといった手段が考えられます。

身体を鍛えるのは後者、すなわち「ワーキングメモリに保存する情報を減らす」アプローチです。

心配事を減らしてワーキングメモリを使いやすく

心配事は頭の中の余計なメモリを食い荒らします。

将来設計のない状態では、働いても働いても「これからどうなるんだろう……」という不安に付きまとわれます。健康に不安があれば「無理をすれば倒れるかもしれない」と考えて大胆なチャレンジに手を出し辛くなります。

しかし、仮にあなたが健康で将来設計にも何の不安もなかったとしたらどうでしょう。きっと毎日が楽しく、新しいことに手を出す余裕さえ生まれてくるでしょうし、滲み出る安定感がさらに人を惹きつけてくれるでしょう。余裕のある状態は理想的です。更なる余裕を生んでくれます。

もちろんそんな風に万事うまく人はなかなかいませんが、分野ごとに「憂いのない状態」を作ることは不可能ではありません。

たとえば、声。コミュニケーションにおいて声の調子は大きな割合を占めています。実際に人と対話する場合は、顔や身体つきなどの容姿も大事ですが、顔などは整形手術でもしない限り作り変えることが出来ませんし、私たちは生まれ持った容姿については努力で変えられない部分もあることを知っています。だからこそ、鍛えられる部分を鍛えているかどうかで、他人からの印象はがらりと変わってくるのです。

美しい声、はっきりと良く通る声を持っている場合は、「自分はどんな自信のない声を出してしまっているのだろう」と心配する必要がありません。すると脳内のワーキングメモリから「声に関する心配」を取り除くことが出来る。もし自信のない声への不安がワーキングメモリを食いつぶしていた場合、ボイストレーニングをするだけで一気に会話能力が向上することがあります。

スキルを習得すると、その動作は無意識化で行えるようになります。本来ならそのスキルのために割くはずだったワーキングメモリの容量を減らすことが出来るわけですね。一度鍛えた肉体を維持するのは大変ですが、上手く毎日の習慣に落とし込んでやれば、大きくてはっきりとした声をずっと維持し続けることが出来ます。

では、どのように声を鍛えれば良いのでしょう。それは次のLessonで!