Lesson5-6 アナリティカル

アナリティカルは理論派

何事も深く分析せずにはいられない理論派もいます。それがアナリティカルです。研究者やコンピュータ関連のエンジニアに多い性格傾向です。また、必ずしもエミアブルのように協調性があるとは限りません。

アナリティカルの語源はAnalysis(分析)です。人付き合いにおいても、「何故そうなったのか」と原因を突き止めようと動きますので、コミュニケーションにおいても正確性を求めがちです。また、正確さを重視するがゆえに深く考えずに発言するようなことはせず、結果的に人とコミュニケーションのペースが合わないことが多いのもアナリティカルにありがちな特徴です。

賢者と話すように

このタイプと付き合う時は、こちらが求めているタイミングでは必ずしも返答が得られるわけではないと思っていると、多少コミュニケーションのペースが合わなくとも安心できます。

アナリティカルからしても、ゆっくりとしたペースで話してもらえるのは大変ありがたいことです。ゆっくりと納得の行く結論を出すまで発言を急かさない相手は、この忙しい現代社会において大変貴重な存在であり、アナリティカルにとっても心の安らぐ相手です。

逆に、一部のドライビングやエクスプレッシブのように返答を急かすタイプはアナリティカルとの相性が最悪です。アナリティカルにとって十分に納得の行かない答えを返すのはこれ以上ないストレスですから、「まだなの?」と急かすタイプとアナリティカルを一緒にしてはいけません。

「急がせることで時間内に仕事が出来るようになり、従業員はどんどん成長していく」と考える経営者の方がいます。鉄火場に人を放り込めば成長する、と誤解しているタイプですね。しかし、自分のペースで考えることの出来ないアナリティカルが本来の力を十全に発揮することはありません。そのことを理解した上で仕事を割り振ったり、分量を調整したりしましょう。

それでは、逆にアナリティカルの能力を発揮出来る状況とはどのようなものなのでしょうか? それは年長者と接しているときのように、相手を尊重し、正確な判断を下すまでじっくり待てるような状況です。アナリティカルは「すぐに返答を下さい」と言われるより、「熟考した結果を教えてください」と言われる方が、ずっとポテンシャルを発揮しやすいのです。

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専門性重視、普段のコミュニケーションは軽視

このタイプとのコミュニケーションにおいて重要なのは、人柄や性格ではなく知識です。判断材料を提供されて喜ぶドライビングと同様に、アナリティカルも人間性より知識や事実を求めがちです。彼らは必ずしも人間に興味があるわけではなく、人間が生み出すものに価値を見出します。

彼らはコミュニケーションに必ずしも興味を持つわけではありません。円滑な人間関係は大事ですし、社会生活を営むうえで欠かせないものですが、彼らの大好きなもの、興味のあるものは、彼らの周囲の人間とのコミュニケーションから生まれるわけではないからです。たった一人で生きていても雨は降りますし、欲しい商品は発売されるものです。

ですから、もしアナリティカルとのコミュニケーションに失敗したとしても、あまり深く落ち込む必要はありません。毎日挨拶を交わしたりちょっとした雑談が出来るようになれば、重要な相談を持ち込んでも大丈夫です。濃厚なコミュニケーションを目指すのではなく、ハードルを下げた付き合い方を心がけましょう。

とはいえアナリティカルがコミュニケーションに全く興味がないわけではありません。彼らはときに人間を分析対象として問題解決に取り組もうとするからです。課題を与えられるとつい張り切ってしまうのがアナリティカルですから、気が付いたら泥沼の人間関係に足を踏み入れている、といったケースも稀ではありません。

た、人間関係が希薄であることから、悪い相手に捕まってしまいがちなのもアナリティカルの特徴です。自分にとって益になるかどうかを棚上げしてしまうと、面倒な人や悪質な詐欺師などに捕まってしまい、更に人間関係に辟易するといった悪循環に陥ることもあります。もしあなたがアナリティカルであるなら、定期的に人間関係を見直した方がいいかもしれません。

まとめ

  • アナリティカルは堅実なスロースターター
  • ゆっくりと、相手の見識を尊重するように付き合う
  • もともと人付き合いに興味の薄いタイプなので、濃厚なコミュニケーションを目指さず、当たり障りのない意思疎通が出来れば問題ないと考える

難しい問題への対処に関しては、アナリティカルの知見が頼りになります。付き合いづらいけど頼りになるエキスパートだと考えましょう。