Lesson5-3 エクスプレッシブ

とてもチャーミングなエクスプレッシブ

このタイプは感情表現を隠しきれないところにとてもチャーミングな魅力があります。時と場合に応じて主張したり主張を飲み込んだりして場の雰囲気に合わせる傾向にありますが、同意していようとしていまいと自分の感情が露出してしまいがちです。

基本的にはあまり深いことを考えずに、ドライビングタイプと比べると人の上に立つのに向いていません。判断や決断に重きを置かず、何も決定せずに先へ進んでしまえる大雑把なところがあります。それゆえ、計画を立てて行動したり、一度立ち上げたプロジェクトを完了まで持っていくのを苦手としています。

エクスプレッシブはムードメーカーだと考えましょう。グループ内での大事な判断をこのタイプに任せるのはおすすめしかねますが、意思決定以外の部分で場を盛り上げたり明るい雰囲気を作ったりするのは得意ですから、グループに一人以上いてくれるとありがたい存在です。

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飲み会を想像してみると分かりやすいかもしれません。日付や場所を決めたりするのはドライビングタイプの得意とする仕事です。しかし、飲み会の場を盛り上げたり、次の参加者を募ったりする役割ならエクスプレッシブの方が適しています。

エンジンをかけるのは大得意

仕事におけるエクスプレッシブの特徴は、エンジンをかけて最初の一歩を踏み出すのに向いている性格傾向だということです。たとえば新規プロジェクトを立ち上げたり、顧客との対応で良いイメージを出して印象付けていくのはこのタイプに任せると安心です。

しかし、一度立ち上げた計画をきちんと最後まで進めていったり、顧客との対応をしっかり行って最後までケアするとなると、途端にボロが出てきてしまいます。端的に言えばエクスプレッシブは論理ではなく感情を優先しがちなので、熱っぽいと同時に冷めやすいところがあるわけです。また、最初の計画を立てるのは得意ですが、最後までの見通しもなく勢いで立ち上げてしまうため穴だらけになっている、というのもありがちです。

仕事を取ってくるタイプの営業には向いた性格と言えます。しかし、仕事を実現可能性を考えずに取ってくるだけ取ってきて、後の処理は会社内の他の人に任せてしまうので、案件によっては実務に当たる担当者が泣きをみることもしばしばです。エクスプレッシブの優秀さは諸刃の剣と言っても過言ではありません。

エクスプレッシブは盛り上げ上手

このタイプはとにかく場を盛り上げるのが得意で、ノリが良く、また盛り上げてもらうのが大好きです。したがってエクスプレッシブと付き合う場合は、なるべく相手との会話の中に「盛り上がりそうな要素」を盛り込むよう気を遣うといいでしょう。

逆にエクスプレッシブから話を振られた時は、こちらも「そうなんだ!」「すごい!」と大げさに感情表現をするのがコツです。論理的な正しさや話の順番より、受け答えの面白さやその場その場の反応を重視してみてください。

エクスプレッシブは「人間」重視

エクスプレッシブとドライビングの大きな違いとしては、彼らが「ひと」と「もの」のどちらを重要視するか、といった点にも現れます。

ドライビングは必要な条件を満たしてさえいれば、相手の人間性などはあまり気にしません。基本的にはスペック重視です。しかしエクスプレッシブにとっては、必要な要件を満たしているかどうかはあまり関係なく、あなたが面白い人か価値のある人かを気にしています。

また、あなた自身がエクスプレッシブにとって「一緒にいるのが楽しい人間」「相性の良い人間」であれば、すぐに友達になれる可能性があります。

鉄は熱い内に打て

エクスプレッシブとの約束は、果たされない可能性も考慮に入れておくべきでしょう。彼らは「一緒に遊ぼう」とか「◯◯日にこれをやろう」という提案にはすぐ同意します。しかし、生来の性格が飽きっぽいため、約束が果たされないことも往々にしてあります。

エクスプレッシブとの人付き合いの鉄則は「鉄は熱いうちに打て」です。10日後や一週間後の約束をするより、思い立ったらその場で「今からご飯を食べに行きましょう」「映画に行きませんか」と誘った方が、付き合える可能性が高いのです。

ここまでの内容をご覧いただいた方にはなんとなくご理解いただけると思うのですが、エクスプレッシブは「子供」とよく似ています。特に飽きっぽい子供を想像して、それに近い感覚で対応してあげると、一気に距離を縮めることができるでしょう。

ただし勘違いしてはいけないのは、いかに子供っぽいといっても計画性が皆無というわけではありませんし、子供ではありません。「子供に対するように振る舞う」のと「子供扱いする」のは全く別物です。もしあなたがエクスプレッシブを子供扱いしてしまうと、相手からの信頼は得られないでしょう。

子供に対するように接するというのは、鷹揚な心を持ち、何事も寛大に、そして守られない可能性を考慮しつつ計画を練るということです。これらを理解していると、気まぐれなエクスプレッシブ相手でも上手に付き合えるようになるでしょう。

まとめ

  • エクスプレッシブは感情を表に出しやすい
  • スペックや能力より人間性やその場のノリを重視
  • あまり計画的な物事を任せるべきではない
  • 寛大に優しく対応すると仲良くなりやすい

これらがエクスプレッシブと上手に人付き合いするためのコツです。