ドライビングは皆のリーダー
ドライビング(行動型)に分類されるのは自己主張が強く、積極的に振る舞うタイプの性格を有する方です。基本的には自分本位であり、社長やリーダーなど強い意思決定で人を引っ張っていくタイプの人に見られることの多い性格傾向で怒っていたりするようにも見えますが、わかりやすい感情はあまり表に出ません。
基本的には戦略的に考えて動くのが好きで、他人から指図されることを好みません。また、自分の将来や予定は自分で決めなければ気が済まないタイプであり、逆に他人と相談して何かを決めたり歩調を合わせたりするのが苦手です。
良い点は「決断の速さ」「自己主張の強さがある」こと。逆に弱点は「他人を褒めるのが苦手」「怖そうな印象を与える」などです。

ドライビングタイプとの付き合い方
コミュニケーションを取るにあたって、相手がドライビングタイプだと判明した場合は、そのリーダーシップ心をくすぐるよう、居心地の良いコミュニケーションを心がけます。
相手に判断させる
ドライビングタイプは全て自分で決めるのを良しとします。複数人で旅行に行く場合は、みんなで相談しながら行き先を決めるものですが、ドライビングタイプの方にとっては自分に主導権のない議論や決定は好ましいものではありません。
その性質を逆手に取りましょう。ドライビングタイプの人と一緒にいる場合は、主張ではなく提案をぶつけることを心がけます。みんなで行き先を議論して選択肢を三つほどに絞ったら、「わたしはここに行きたい」というのをグッとこらえます。そこで話の外にいたドライビングタイプの方に向かって、各行先の長所と短所を告げます。
「〇〇〇という理由があるので私はAに行きたいと考えています」と主張するのはあまり上手い手ではありません。「Aがおススメですね」という風に、あくまで自分の意見は参考程度にとどめて相手に意思決定を委ねます。
しかしこれは本当に意思決定を委ねているわけではありません。三つの選択肢の中で自分がAを望んでいる場合、Aが一番素晴らしい選択肢に見えるよう理由を並べるよう操作すれば、ドライビングタイプの意思決定をある程度ドライビング出来るのです。
ドライビングタイプの自己主張はストレート
厳格な社長やリーダーに見られがちな傾向ですが、ドライビングタイプはまっすぐに意見をぶつけるという傾向も持ち合わせています。
特に恐ろしいのは人に怒ったような意見をぶつけてくるタイプです。世の中には優しいリーダーや人格者もいるのでしょうが、優しい人は人の上に立つ前に競争から転がり落ちてしまうことが多いですし、社長やリーダー格の人は基本的には怖いものだと考えて差し支えないでしょう。
でも、ここで誤解をしてはいけません。ドライビングタイプは怒るときもストレートですが、これは論理的なことを重視する結果に過ぎません。また、怒られたとしても冷静かつ論理的に原因を説明すれば、納得して矛を収めてくれることも多いものです。
ドライビングタイプに怒られたときは、逆にチャンスだと思いましょう。自らの謙虚さや冷静さ、的確な分析能力をアピールし、仲を深めていくにはちょうど良い機会です。
判断材料の質を高めよう
ドライビングタイプとの人付き合いにおいて大事なのは、彼らは決して曖昧な材料を元に判断を下さないということです。仮にも社長などの社会的な立場についているなら、判断の大切さや判断材料の選定には十分に注意を払う価値があることを知っています。
「なんとなく」ではドライビングタイプは動きません。たとえば採用面接の際に「話してみるとこの人はいい人でしたから採用しましょう」と進言しても無能な採用担当だと思われてしまいます。
「この人にはこれだけの実績があります」「この商品を購入するとこれだけのメリットがあります」といった具体的な判断材料を並べられた方が、ドライビングタイプにとっては納得しやすいのです。
ストレートな指摘を避ける
ドライビングは上下関係や序列を大事にします。そして、自分が相手より上の位置に立っていることで満足感を覚えるタイプでもあります。
下手に相手を上回ろうとして自分のすごさをアピールすると、かえって悪い印象を与えてしまう可能性があります。基本的にはあくまで「わたしはあなたの部下です」という態度を貫きましょう。
「わたしはあなたの立場を脅かしません、このような形であなたの役に立つことが出来ます」この精神を貫いて付き合いを深めていけば、あなたはドライビングタイプにとってなくてはならない懐刀として気に入られるでしょう。
まとめ
- 人の上に立ち、自分の判断を大事にするタイプ
- 付き合うならあくまで下手に出て、判断を乞うべし
- 参考になりそうな具体的な判断材料を提供すると良い
- ストレートな意見・表現を怖がらず、好機と捉える
このタイプは社長やリーダー格の人に見られやすい性格傾向ですから、そのまま「社長との付き合い方」「我の強い人との付き合い方」に応用していただいても構いません。