沈黙を恐れない
コミュニケーションのありがちな誤解として「沈黙」を恐れるというものがあります。一対一で会話していて、途中で会話が途切れると、次に何を言えばいいか分からなくなり深い沈黙に陥ってしまうと、どうしても焦ってしまいますよね。
でも沈黙はそんなに悪いものではありません。常に人と話を続けねばならない状況は疲れてしまうものです。
そもそも沈黙は話が終わったという合図です。沈黙が訪れた時点で本来話すべきことは終わりを告げ、あなたは次に何をするべきかと言えば、相手の発言をしっかり噛みしめることなんです。それにも関わらず、沈黙を恐れるあまり矢継ぎ早に意味のない返事をすると、ああこの人は「何も考えずに話す人となんだ」と悪い印象を与えてしまいかねません。

また、話が途切れるのを恐れてとりとめもない話を続けてしまうと、本来話すべき内容を忘れてしまうことがあります。コミュニケーションにおいて大事なのは、自分の考えをきちんと相手に伝えること、そして相手の考えをきちんと受け止め適切な返事をすることです。急ぐあまり不適切な返事をしてしまうのでは本末転倒です。
沈黙は確かに気まずいかもしれませんが、意思疎通の失敗に比べると些細なことです。注意すべきは沈黙に陥ることではなく、沈黙を恐れて対処を間違えてしまうことなのです。
誰にでも失敗の一つや二つはありますし、交友関係の広い人でも相手との話の途中でお互いに黙り込んでしまうのはあることです。あなたはコミュニケーションのプロではありませんし、たとえプロであろうとも失敗はつきものです。けっして自分を卑下することのないようにしましょう。