現代人はコミュニケーションが苦手
Introductionでも触れましたが、現代ではコミュニケーションの苦手な人が増えています。年代を問わず6割の方がコミュニケーションを苦手としており、コミュニケーションそのものを煩わしく感じる人は全体の8割にも及びます。
その原因として特に大きなものとしては、以下の三つが挙げられるでしょう。
- 人間の情報処理能力には個人差があることを理解していないと他人と適切なコミュニケーションを取ることが難しい
- 日本の教育現場では、コミュニケーションを体系的・実践的に学ぶ機会が非常に限定的であるがゆえに、コミュニケーションスキルを身に着けることが難しい
- SNS等の発達により対面でのコミュニケーションの機会が減少したことが、スキルの低下、ひいては苦手意識につながっている
1についてはLesson2でご説明した通りです。コミュニケーションを司る脳の情報処理能力、そして個人差、ADHDやアスペルガー症候群などの発達障害についてもまとめられています。
Lesson3では問題の2と3――社会的な原因に注目し、教育と社会的な変化がどのように現代人のコミュニケーションの意識を変えていったかを見ていきましょう。
前回のLessonがコミュニケーション能力そのものに関する説明だとすれば、今回はコミュニケーションに関する歴史的な変遷の解説といった立ち位置でご覧いただくと良いでしょう。