会話内容を要約しよう
国語の時間に「要約」というものをやったことのある方もいらっしゃるでしょう。長文を読み、そこに書いてある内容を数字~数百字程度で自分の言葉にするのが「要約」です。一昔前の国語の授業では、新聞のコラムを毎朝200字程度に要約するという課題が流行したことがありました。
長文を要約するためには
- 書いてある内容の意図を掴む
- 自分の言葉で書き直す
- 指定された字数におさめる
という少なくとも三つの技術が必要になり、文章を書く訓練としては最適なのです。
同じことは会話にも言えます。もちろん会話内容は文字媒体と違って記録に残りませんから、後で思い出そうとしてもなかなか上手くはいきません。しかし、今日は〇〇さんとどのようなことを話したか、ということをおぼろげながらにでも覚えておくのは重要ですし、多少でも記憶の断片が残っていればそこから会話を再構築して要約することも可能です。
そこで会話内容の要約を課題化します。毎日ひとつ、会話内容を要約するという課題を達成することで、
- その日行った会話を覚えておく記憶力
- 発言を的確に短い言葉で言い換える要約力
などの能力が的確に鍛えられます。
一つ一つのコミュニケーションを課題化する
小学校の勉強では予習と復習が大事だ、と学んだ方も大勢いらっしゃるかと思います。
予習と復習は学んだ内容の定着に効果的です。同じことはトレーニングの世界にも言え、たとえば一流のアスリートは「どのように練習するか」「どのような結果が出たか」を常に意識して練習・試合に臨んでいます。限られた時間で上達するには、そうやって経験の密度をなるべく濃くしていくのが良いということでしょう。
同じことはコミュニケーションにも言えます。対象となる相手と会話する場合「あの人とどのように話をするか」を考えておくと良いでしょう。また、実際に話し終わったら「自分は上手くコミュニケーションが取れたか」を自問自答します。
この予習と復習を課題化してあげると、コミュニケーション練習の密度は飛躍的に高まります。もしあなたが職場で四人のチームを組んでいるならAさんBさんCさんそれぞれについて、
- 相手の好きな物苦手な物
- ソーシャルスタイルによる分類
- 話したい事柄
を事前に決めておきます。
そして三人全員とその会話をしたら課題達成、ということにしましょう。その後反省を行って自分のコミュニケーションそのものへの評価を下してみてください。そうすることで自分の課題と目標がはっきりと浮かび上がり、よりよいコミュニケーションを目指す糧とすることが出来るようになります。
コミュニケーションは肉体的な運動と同じで日々の練習が確実に生きる分野のものです。日々意識高くコミュニケーションを行っている人は自分の強みや弱点も把握していますし、いざ初対面の方と話をするという段階になっても鷹揚と構えるだけの余裕を持っています。
コミュニケーションが苦手でも自信を失ってはいけません。日々の課題を消化しながら、居心地の良い会話が出来るよう自分を高めていきましょう。